お医者さんからのアドバイス

このコーナーでは、成人の成長ホルモン分泌不全症治療を専門とする医師のご協力のもと、症状の特徴や診断治療の様子などについて、解説しています。 問診を通じて、成人の成長ホルモン分泌不全症に関する正しい知識と治療の重要性をご理解いただければ幸いです。 ※正確な問診は医療機関で実際に受けられるよう、お願い申し上げます。

成人の成長ホルモン分泌不全症の特長は?

先生
こんにちは。今日は、どうされました?
患者
はい、ここ2、3年で疲れやすく、やる気がでない状態が続いているんです。何が原因なのか、何か関係しているのではないかと思ったので調べて頂きにきました。
先生
それではいくつかお聞きしますね。今までに大きな病気やケガをしたことはありませんでしたか。
患者
ちょうど3年前に脳腫瘍の手術を受けました。
先生
どの部位の腫瘍だったのですか。
患者
下垂体です。
先生
下垂体の手術をしたのですね。他に症状はありますか。
患者
先ほど言ったようにとにかく疲れやすく、集中力がなく仕事をするにもやる気がでないんです。
先生
ここ数年で体重はどうですか。増えていませんか。あと、体力はどうですか。
患者
そうですね、おなかの周りが太っているのが気になりますし、長く動いていられないですね。体力が落ちていることを実感しています。

先生
まだ断定はできませんが、おそらく下垂体の手術をしたことと、現在の状況からしますと、下垂体の機能が低下していると思われます。
これを下垂体機能低下症といいます。下垂体という部位はいくつかのホルモン(ホルモンの種類はこちら)の分泌をコントロールする機能を担っているので、これらのホルモンが不足していることが考えられます。
先生
症状から推測しますと、その中でも成長ホルモンの分泌が低下している可能性がありますね。
患者
成長ホルモンですか。でも、成長ホルモンというと、身長を伸ばす作用で、大人には関係ないと思っていました。
先生
子どもの場合は、成長ホルモンは主に身長を伸ばす役割をしています。しかし、大人でも成長ホルモンは分泌しているのです。「成長ホルモン」とは言っても子どもだけでなく大人にも必要なホルモンなのです。
患者
成長ホルモンの不足が原因なのですね。

成人の成長ホルモン分泌不全症の身体上の症状は?

先生
まだ断定はできませんが、どのホルモンが不足しているのか確かめるためにも、検査をしてみましょう。
患者
では検査をすれば原因がはっきりするのでしょうか。
先生
検査をすることにより不足しているホルモンがわかります。それが分かれば、治療としては不足しているホルモンを補う治療を検討します。
患者
分かりました。原因を確かめるためにもぜひお願いします。
今回は、Aさんのケースをご覧いただきました。Aさんは過去に下垂体の手術を経て、疲れやすい・仕事にやる気が出ないといった自覚症状や太りやすいといった身体症状が現れ、医師の診療をしてもらいに行っています。
結果としてAさんは、成人の成長ホルモン分泌不全症の疑いがあることがわかりました。皆さんも思い当たるところがありましたら一度医師の診察を受けられてはいかがでしょうか。

国立病院機構 京都医療センター 臨床研究センター長 島津章先生

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