成長ホルモンとは?

成長ホルモンの大切な働き

ホルモンは、体の中でつくられている物質で、体のさまざまな機能をコントロールするという大切な役割を担っています。人間には体内に100種以上のホルモンがあるといわれ、それぞれが決まった役割を果たすことで、私たちの体は正常に保たれているのです。

成長ホルモンはその言葉からも分かるように、“身長を伸ばすホルモン”としてよく知られています。しかし、成長ホルモンにはもう1つ重要な役割があります。それは、体にある物質をエネルギーとして使えるような物質に変えていく働きです(これを代謝といいます)。私たちが生きていくためには、体内でエネルギーをつくることが欠かせませんが、成長ホルモンはその過程で大切な役割を担っています。

つまり成長ホルモンは、子どもから大人まで、あらゆる年齢に必要なホルモンなのです。

成長ホルモンの働き

体内での成長ホルモンの流れ

成長ホルモンは、脳から出た指令を受けて下垂体(かすいたい)から分泌されます。そして、肝臓や筋肉、脂肪などのさまざまな臓器で行われている代謝を促進します。肝臓では、成長ホルモンを仲介するIGF-I(ソマトメジン-Cとも呼ばれます)という物質が作られています。

このIGF-Iという物質は、成長ホルモンの量を調べるときの大切な指標となります。
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体内での成長ホルモンの流れ

成長ホルモンが出なくなる原因とは

成長ホルモンは生涯にわたって下垂体から分泌されるものです。しかし、何らかの原因で分泌が低下する場合があります。 成長ホルモンが出なくなる時期としては、子どものときに始まる場合と、大人になってから起こる場合があります。大人になってから起こる場合の原因は以下に示す脳腫瘍によるもの、あるいは原因不明によるものが多くなっています。

脳腫瘍が原因

脳の下垂体に腫瘍ができ、それが大きくなると、腫瘍で圧迫されて下垂体機能が低下します。下垂体は成長ホルモンを含む各種ホルモンを分泌するところで、下垂体機能が低下すれば成長ホルモンは分泌されません。また、頭蓋咽頭腫やラトケ嚢胞といった下垂体の周囲に発生した病気も、成長ホルモンの分泌を低下させる原因となります。また腫瘍そのものでなく、下垂体腺腫の手術や放射線照射、また外傷などが原因で下垂体の機能が低下する場合もあります。

  • 頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ) -下垂体の近くに発生した腫瘍
    ラトケ嚢胞(のうほう) -下垂体にできる袋状の腫瘍
    下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ) -下垂体にできる脳の腫瘍の一種

原因が不明

成長ホルモンの生涯分泌パターン
Ho,K.K. et al.:
Horm Res 40(1-3):80,1993より作図

非常にまれなケースですが、原因不明で成長ホルモンが出なくなることがあります。

成長ホルモンは加齢とともに低下してきます。思春期前の値を100%とすると成長ホルモンの分泌量は、思春期後期で多くなり、200%と2倍くらいになります。 その後はどんどん少なくなり、30、40歳台では50%、60歳では30%くらいになります。

国立病院機構 京都医療センター 臨床研究センター長 島津章先生

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