体験談インタビュー

第1回

いつまでも、元気に楽しく生きていくために、
成長ホルモン治療を受けています

成人成長ホルモン分泌不全症とその治療法や治療を続けていくときに大切なサポートや日常生活のポイントについて、実際に成長ホルモン治療を続けていらっしゃる I さんにお話を伺いました。皆様の参考になれば幸いです。

注射は毎日していますが、注射に縛られることはありません

─ Iさんは、成人の成長ホルモン治療を受ける以前に、子どものころ成長ホルモン治療を受けていた経験があるとうかがいましたが。

Iさんはい。11歳のときに脳腫瘍が見つかり、それが原因で成長ホルモンが分泌されていないことがわかりました。どうりで私は同級生よりも身長が低く、痩せていたわけです。身長を伸ばすために成長ホルモン治療を始めたのですが、大人になってからもほかのホルモン治療を行う必要があったので、東京女子医大付属病院に通うようになり、そこで高野先生に出会いました。

2006年から成人の成長ホルモン治療が日本でも行えるようになり、先生から成人の成長ホルモン治療ができると聞いたときには、本当にうれしかったです。

─ 成長ホルモンを自分で注射することについては、どのように感じましたか?

Iさん高野先生から細かい説明を受けたので、私はまったく抵抗はなかったですね。確かに、注射は痛いのではないか、手間がかかるのではないかというイメージがあるものですが、実際は、お腹への皮下注射で痛みはほとんど感じませんし、注射器はペンタイプの一体型で、操作は針を換えるだけなので簡単に注射できます。

─ 毎日注射することで、日常生活に支障が起こることはありますか?

Iさん私は寝る前に注射をしているので、仕事や日常生活に何の影響もありません。たまにベッドに入ってから「あ、忘れてた」ということがあり、そのときはさすがに「ちょっと面倒だな」と思ってしまいますが(笑)。

─ 旅行のときはどうしていますか?

Iさん短い旅行なら注射はお休みにしています。先生と相談した上で、毎日きちんと注射していて、IGF-I(Insulin-like Growth Factor-I:インスリン様成長因子-I)の値が高い状態を維持していれば、1週間くらい休んだからといって何ら支障はないと言われたのでそうしています。

注射で生活ががんじからめになっても、治療を続けるのが辛くなってしまうので、毎日の注射はきちんと行って、旅行などの予定があるときは必ず先生に相談するようにしています。

─ 治療を初めてから何か変わりましたか?

Iさん治療を始めてから毎日がどんどん楽しくなりました。今、私はジムに通っているのですが、それだけでなく以前からやりたかったダンスも始めました。もっとできるという自信がついたんですね。仕事でも、以前以上にがんばろうという気持ちが強くなりました。

成長ホルモン治療は、一般の人が持っている成長ホルモンをたまたま私は持っていないので、外から足しているだけの治療だと私は認識しています。だから、治療している感覚がないんです。それこそ、高野先生のところに、足りないものをもらいに来ているという感覚です。

いつまでも元気に、そして楽しく生きていきたいから、これからも成長ホルモン治療を続けていこうと思っています。

大切なのは、やはり患者さんとのコミュニケーションです

東京女子医科大学名誉教授(元第二内科主任教授)医学博士 高野 加壽恵 先生

成長ホルモン治療を始めた患者さんには、日常生活のケアもお話しするのですが、Iさんの場合、日ごろから食生活に気をつけ、運動もしているので、私が指導することは特にありません。そうした日ごろの心がけは、治療効果に反映されていると思います。
治療を続けていく上で気をつけなければならないことは、成長ホルモンに対する感受性です。患者さんごとにあった投与量をみつけるためにも、最初は少量の投与量から始めて、患者さんの状態をみながら徐々に増やしていく方法をとっています。ですから私は、患者さんとのお話の中で、体調はどうか、あるいは、具合が悪くなったことがあるかなどを詳しくたずねるようにしています。

患者さんの中には、何となく効果を感じてはいるのですが、具体的な言葉が思い当たらないという方もいらっしゃいます。こちらから「○○はどう?」「こういうことがなかった?」と一つひとつたずねることで、普段気づきにくい小さな変化も実感できることが多いようです。実際にIさんも、具体的に体調を聞かれて初めて、「ああ、そういえばこんなことがあったな...」と振り返ることが多いそうです。また、血液や骨密度、筋肉量、体脂肪などの検査数値も事細かにお伝えすることで治療を続ける意欲が湧いてくることも多いみたいですよ。

基本的なことですが、患者さんとのコミュニケーションが大切だと実感しています。

国立病院機構 京都医療センター 臨床研究センター長 島津章先生

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