成長ホルモン治療の副作用診断と治療

気になる症状があらわれたら医師に相談しましょう

成長ホルモン療法は基本的に身体の中に不足しているホルモンをおぎなう治療です。体質によっては頭痛、痙攣、耐糖能異常等の副作用が生じるケースもあります。症状があらわれたときは、すぐに担当の医師にご相談ください。

成長ホルモン療法が禁止されている病気、慎重に投与することが必要な病気

以下の病気を持っている患者さんには、成長ホルモンによる治療を禁止または慎重に行う必要があります。

糖尿病

糖尿病の患者さんは糖や脂質の代謝が悪化しているため、身長の伸びが悪くなります。成長ホルモンには、血糖を上げる働きがあるため、成長ホルモンを投与すると糖尿病が悪化するケースが報告されています。このことから、糖尿病を持っている患者さんに対しては、成長ホルモン分泌不全を伴っている場合であっても原則的に成長ホルモンの投与は禁止されています。

悪性腫瘍

成長ホルモンは細胞を増殖させる働きがあります。そのため、悪性腫瘍のある子どもに投与すると腫瘍細胞を増殖させる可能性があるため、成長ホルモンの投与は原則的に禁止されています。

一方、脳下垂体周辺にできた脳腫瘍による圧迫や、その腫瘍の摘出や放射線などの治療によって下垂体組織が損傷または喪失した場合、成長ホルモンの分泌不全がみられることがあります。この場合は腫瘍の摘出後、もしくは腫瘍の増殖を抑制した後、数年間再発が起こらないことを確認した上で、医師の判断によって成長ホルモン療法を行うことがあります。いずれにせよ、担当の医師とよく話し合ってください。

腎臓や心臓の病気

成長ホルモンは水分を身体にためる作用があり、腎臓や心臓に病気を持つ患者さんに投与するとむくみの原因になりますので、担当の医師と相談しながら十分な観察を行って成長ホルモン療法を行います。

なお、慢性腎不全による低身長症の子どもに対しては成長ホルモンによる治療が認められています。

脊椎側弯症

側弯症を持つ子どもに成長ホルモン療法を行うと、側弯の程度が強くなることがありますので、このような場合は担当の医師にご相談ください。

監修:公立大学法人 福島県立医科大学 ふくしま国際医療科学センター 特命教授
甲状腺・内分泌センター長 横谷 進 先生

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